こんにちは、作家のれおんです。今回は「食べてはいけないもの」というお話です。
今この瞬間を楽しむためには、健康である必要があります。
そして健康の土台になるのは、日頃の食べ物でしょう。健康に気を使うほど、日頃何を食べるのが良いのか気にかけるようになります。
しかし最近は、健康的な食事に関して極端な主張が多いように思います。
SNSやテレビ、書店の棚を眺めるたびに、「これさえ食べれば」「これだけは絶対NG」といった言葉が目に飛び込んできますよね。
パンを食べるな、白米を食べるな、乳製品を食べるな、加工食品を食べるな
しかし、本当に“食べてはいけないもの”は存在するのでしょうか?
食べるものについて考えるのは健康にとって非常に重要なので、今回は、普段何を食べるようにすればいいのかについて考えていきましょう。
食べてはいけないもの
「結局、何を食べればいいの?」
こういう悩みを抱えたことが一度はあるのではないでしょうか?
Aの本では褒められている食品が、Bの動画では“毒”扱いされる。そんな矛盾だらけの話は特に珍しいものではありません。
ある食べ物を絶対に悪いものであると決めつけることができない理由は2つあります。
まず1つ目は、栄養学は“確率で語る学問”である、という前提です。食べ物と健康の関係は、個人差・生活習慣・遺伝・腸内環境・睡眠・運動・ストレスなど、多くの要因に影響されます。だからこそ「これさえ守れば絶対に安全/絶対に危険」という断定はめったに成立しません。研究が示すのは、多くの場合「平均的にはこうなりやすい」という傾向であり、あなた個人の身体で必ず再現する保証ではないのです。
例えば、にんじんに多いβカロテン。野菜として摂るぶんには心強い味方でも、成分だけをサプリで過剰に摂ると、がんの発生を助長するなど、かえって望ましくない結果が示されることがあります。丸ごとの食材と、抽出された成分を大量に摂ることは、同じようでいて別物。これは他の栄養素でも起こり得ます。
特定の食品を“神格化”して食べ続けたり、逆に“悪者”扱いして徹底的に避けたりするのは、むしろ逆効果になることも。加工肉や揚げ物だって、量や頻度の問題です。食べすぎれば統計的に不利でも、たまに楽しむ程度なら、多くの人にとって大きな問題にはなりにくい。そのバランス感覚が大切です。
2つ目の理由は“食べないストレス”という要素です。「これは体に悪いから一切禁止」と自分に禁令を出すほど、心は反発します。砂糖を完全に断つのは現実的にも難しく、食事の楽しみまで削ってしまうかもしれません。科学が“完璧な健康食”をまだ示せない以上、甘いものをどう扱うかは、あなたの価値観が決めていい。私たちの体は少しの砂糖で壊れるほど弱くはありません。食べたいときは、罪悪感ではなく“やりすぎない”工夫で向き合いましょう。昔から「過ぎたるはなお及ばざるが如し」。結局、「適度に好きなものを楽しむ」ことこそ、一番健康で、一番むずかしい選択なのかもしれません。
健康な食事のカギ
食べてはいけないものとか、これを食べ続けたら健康になるという話はできませんが、食事で気をつけたいポイントは当然あります。
ここでは、食事で気を付けるポイントとして、血糖値の安定化について説明します。
血糖値を急上昇させる食べ方は控えて下さい。なぜなら、血糖値が急上昇すると体に過剰な負担をかけることになるからです。
血糖値が急上昇すると、それを抑えるためにインスリンが大量に分泌されます。インスリンは血中の糖を筋肉や脂肪に送り込み、血糖値を下げる働きを持っています。しかし分泌量が多すぎると、今度は血糖値が急降下し、「血糖値スパイク」という乱高下を引き起こします。
血糖値スパイクは老化や炎症の原因となり、疲労感を強めるだけでなく、インスリンを出す細胞に負担をかけ、糖尿病リスクを高めることが知られています。
そのため、血糖値を急上昇させる食べ方というのは、体に過剰に負担をかけることになるのです。
血糖値を急上昇させる食べ方というのは、例えば、自宅でラーメンとチャーハンを食べた後、間髪入れずにデザートのプリンを食べて、その後すぐビールを飲みながらポテチを食べるというような食事です。
これだけ糖質を立て続けに摂取したら、血糖値は急上昇します。
そうなると、糖尿病に一直線ということになってしまうのです。
では、血糖値を急上昇させない工夫とはどのようなものなのでしょうか?
血糖値を安定させる最も手軽な方法は、低GI食品を選ぶことです。
GI値(グリセミックインデックス)というのは「砂糖を摂取した際の血糖値の上がり方を100としたとき、その食品がどのくらい血糖値を上げやすいか」を示す指標です。
例えば、白米はGI値がおよそ85と高めです。そのため、白米を食べると血糖値が急上昇しやすく、脂肪が蓄積されやすくなります。なお、調理方法(アルデンテのパスタ、冷やご飯など)や熟度(熟した果物ほど高GI)でもGIは変わります。
また、GI値は、食物繊維の量に大きく左右されます。食物繊維を多く含む食品ほどGI値が低く、少ない食品ほど高くなります。
白米や食パンは、もともと稲や小麦の段階では食物繊維を豊富に含んでいますが、精製の過程でほとんど失われてしまいます。その結果、GI値が高くなり、血糖値が急上昇しやすくなるのです。
一方で、玄米や全粒粉パン、オートミール、そば(十割に近いもの)は精製度が低く、食物繊維が残りやすい食品。GI値も低めで、血糖値を安定させやすい選択肢です。
GI値については食品ごとに調べられているので参考にするのがいいですが、数値を覚える必要はありませんし、過度に高GI食品を避ける必要はありません。そんなことをしていたら疲れてしまいますからね。
日頃の食事においてどんな食事を選べばいいのか迷ったら、「まごわやさしい」という合言葉を思い出すようにするといいです。
「まごわやさしい」とは、栄養豊富な食品群の頭文字から作られた標語です。
ま…豆類
ご…ごまなどの種子類
わ…わかめなどの海藻類
や…野菜(緑黄色)
さ…魚
し…しいたけなどのきのこ類
い…いも類(さつまいもや里芋など)
これらの食品を使った料理を食べるようにすると、十分な栄養を少量の食事で確保することができます。
食物繊維も確保できるため、腸内環境も整いやすいですし、血糖値の安定化も図ることができます。
食事の方針として「まごわやさしい」という言葉をキーワードとして覚えておくと良いでしょう。
もしどうしても高GI値の白米やラーメンなどの精製された炭水化物を食べたい場合は、サプリメントを活用するのも一手です。
最近では、糖の吸収を穏やかにするお茶やサプリメントが販売されています。難消化性デキストリン、サイリウム(オオバコ)などの食物繊維素材が代表的です。これらはあくまで補助。まずは食事内容と順番の見直しが基本です。
例えば、ラーメンを食べる前にこのようなお茶を飲む、もしくは先に小鉢のサラダ・酢の物・冷奴を一品入れると、糖や脂肪の吸収が抑えられやすくなります。昼食にラーメンを食べたいときの現実的な工夫として取り入れてみましょう。
まとめ
食べてはいけないものというものはない。
血糖値を急激にあげ過ぎない工夫をする。キーワードは、「まごわやさしい」