なぜ復習が重要なのか?脳の記憶メカニズムから考える勉強法

  • 2024年8月20日
  • 2024年8月21日
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「復習が大事」とは、誰もが一度は聞いたことのある言葉でしょう。でも、なぜそれほどまでに復習が強調されるのでしょうか?実は、私たちの脳は情報を記憶する際、特定の仕組みを持っています。この仕組みを上手に活用することで、勉強の効率を格段に上げることができるのです。本記事では、脳の記憶メカニズムを踏まえ、なぜ復習が試験勉強において鍵となるのかを解説します。復習の本当の重要性を理解して、試験対策をより効果的に進めましょう。

繰り返し見ることで脳が情報を「重要」と認識する

私たち人間は、古くから共同体の中で生活してきました。その中で、毎日顔を合わせる人々の存在は、共同体に属している重要な仲間であると脳が認識します。つまり、繰り返し目にする情報は脳にとって「重要な情報」として処理されやすいのです。この脳の特性は、勉強においても大いに活用できます。例えば、覚えたいことを何度も復習することで、脳はそれを重要な情報として捉え、記憶に定着させやすくなるのです。

繰り返しの刺激が記憶を強化する

脳内では、繰り返しの刺激によって神経伝達が効率化する「長期増強」というプロセスが働きます。このプロセスにより、記憶が形成されやすくなることが知られています。具体的には、シナプス後膜にあるグルタミン酸受容体が増加し、神経伝達の効率が向上します。この長期増強というメカニズムを利用するためにも、復習を通じて何度も情報に触れることが重要なのです。

能動的な学習が記憶を深める

しかし、ただ情報を繰り返し見るだけでは十分ではありません。道を覚えることを例にとると、自分で何度も歩いてみるのと、誰かにおんぶされて歩くのとでは、記憶の定着具合が大きく異なります。おんぶされていると、自分で道を覚える必要がないため、記憶に残りにくくなります。逆に、自分で歩いて道を覚える場合は、その道を覚えておかないと家に帰ることができないため、脳は道を覚えることが生存において重要だと判断し、記憶に強く定着させます。

このように、能動的に情報に触れることが記憶の定着を助けます。これは勉強でも同じ。例えば、ただ教科書を読むだけでなく、問題を解いたり、自分で要点をまとめたりすることで、脳はその情報を重要だと認識しやすくなります。これが、復習において能動的な学習が推奨される理由です。

情報の取捨選択と脳の記憶容量

私たちの脳の記憶容量には限りがあります。そのため、必要のない情報は捨て、重要な情報だけを保存しようとします。海馬と呼ばれる脳の部位は、記憶の整理に重要な役割を果たしていますが、常に新しい細胞に置き換わっているため、不要な情報は消去されることが多いのです。一方で、一度重要だと判断された記憶は、大脳へと移行し、長期記憶として定着します。

このメカニズムを理解することで、復習の際には単に情報を繰り返し見るだけでなく、情報を整理し、自分にとって本当に必要なものを選び取ることが大切だと分かります。

効果的な復習法とは?

以上を踏まえると、効果的な復習法は次のようになります。

  1. 繰り返し目にする
    重要な情報を繰り返し確認することで、脳に「重要な情報」として認識させ、記憶に定着させます。
  2. 能動的に学ぶ
    教科書を読むだけでなく、問題を解く、自分の言葉でまとめる、他人に教えるなど、能動的に学ぶことで記憶が強化されます。
  3. 情報を整理する
    全ての情報を覚えるのではなく、自分にとって本当に必要な情報を取捨選択し、効率よく記憶することが重要です。

まとめ

復習は、試験勉強において欠かせないプロセスです。脳のメカニズムを理解し、効果的な復習方法を取り入れることで、記憶を確実に定着させ、試験での成功を目指しましょう。受動的な学習ではなく、能動的に取り組むことで、脳はその情報を重要だと認識し、長期記憶として保存しやすくなります。ぜひ、日々の勉強に復習を取り入れ、効率的に学習成果を上げてください。

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